介護・福祉への思い
これからの介護 
日本の高齢化は異常な速度で進んでいます。この現象は世界に類の無いものです。
日本の人口は2007年を境にその後は減少に転じますが、一方、総人口に占める老齢人口「65歳以上人口」の割合は年々増加し2015年には4人に1人が高齢者となるような社会が来ると見込まれています。また老齢人口に関しては2020年にピークに達してその後は徐々に現象に転じていくわけですが問題は後期高齢 者人口「75歳以上人口」のその後の増加です。
2025年には後期高齢者人口が前期高齢者人口を上回り、その割合は57.0%にも達する見込みです。実はこの後期高齢者人口の増加が要介護者率を押し上げているわけです。
過去の高齢者 
シルバービジネスとして典型的な事例はゲートボールの成功でしょう。仕事を中心に、あるいは家庭を守ることを中心にした生活を送り、自分の楽しみ、快楽に生きることに、ある意味では罪の意識すら持ってきた世代が仕事をする必要がなくなったとき、日常行うべきことがなくなってしまったのです。そこで高齢者になってからでも始めることができ、なおかつ高齢期の運動能力をもってしても進歩をみることのできる、戦略性を もち経験が進歩を生む新たな娯楽としてのゲートボールが生まれたのです。
趣味もなく日常行うことも無くなった高齢者層にこのゲートボールは急激に普及しました。ここから読めるのは、かつての高齢者層はそれまで生きてきた状況、戦後の混乱から日本の復興のための仕事中心の生活、個人の生活像はあまり変わりばえのしない、このために高齢期から始めることのできる新たなサービス、商品を提供することが成功という図式が存在するのです。
介護分野においても、旧来からの価値

観である「老いては子に従え」の通り、家族介護をあてにし、お上からの施しを嫌がるとの行動が中心でした。バブルによって、一部に老人ホームの市場もありましたが、ほとんどが家族介護であったというのが過去の高齢者層です。このため、旧来の高齢者層に対しては、高齢者本人よりも家族の介護負担の軽減がキーワードでした。またシルバービジネスの購入のゲートキーパーはつねに家族であったのです。
今後の高齢者 
今後の高齢者の世代として代表的な世代は「団塊の世代」です。
高齢者となる団塊の世代は、旧来の高齢者とはかなり異なったものになると推測されます。ゲートボールを例に引けば、このようないわゆる高齢者向けのものが、今後の高齢者に流行るとは思われません。それは、団塊の世代がそれぞれ似たような生活をしてきたのではなく個人個人が個性的で多様な人生を過ごしてきたと思われるからです。趣味は様々です。
このことから、これからの高齢者に対しては、高齢期の特徴を考える前にまずその個人が育ってきた環境を考えることが必要となってきます。簡単に言えば団塊の世代の高齢者はゲートボールではなく今までやってきたスポーツや趣味を続けたいのです。64歳までゴルフが好きでたまらなかった人が、65歳になったからといってゴルフをやめてゲートボールを始めるわけが無いのです。介護に対する考え方も変わってきます。
今後の世代は自分たちの生活、核家族の生活を重視しながら子供などの他の世代に介護の負担をかけたくない価値観が増加してくると思われます。すなわち子供たちに気兼ねしながら介護をしてもらうのではなく、自分たちの生活スタイルを壊さないでよい介護サービスを望むことになるのです。旧来の世代が、子供による介護を求めるため、家族の介護負担を軽減するサービスを求めたのとは対照的に、自分たちの生活を守る介護が求められるのです。家族の 介護負担軽減から、高齢者本人の自立の促進が今後のキーワードになります。
